2009年度 仏教クラブ奨学金授与者 発表
2009/10/09
2009年10月9日、仏教クラブ例会、奨学金授与式にて
以下の各氏に各30万円の授与がありました。
各氏が壇場に立ち、会員の前で、各々の研究課題と、お礼の言葉を述べた。
| ■申請者名 朴 昭映(パク・ソヨン) 女 国籍 韓国 生年月日 1969年9月10日(満39歳) ■所属 仏教大学文学研究科仏教学専攻博士後期課程1回生 ■推薦人 仏教大学教授 福原隆善 朴昭映氏は留学生として永く日本に滞在し日本の事情にも精通している学生であり、現在博士号の学位を取得するために努力しています。将来的に日韓両国の文化交流など橋渡しをしていただく人材として奨学金給付の対象者として推薦いたします。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者)朴昭映氏を推薦いたします。 ■現在の研究・勉学の内容および目的 高麗の天台僧雲默(生没未詳)が1328年に撰集した『釈迦如来行跡頌』は、諦観の『天台四教儀』の文に依り、また、諸経論および諸傅記を衣用して210頌840句の各頌と詳細な注をつけて上・下2巻にまとめています。この書籍を中国・韓国・日本の三国の天台教学を比較する観点から分析し、韓国の天台思想史を一層明らかに考察しようと思っております。 既に1998年から韓国の東国大学大学院史学科にて、歴史的立場より韓国の天台史の研究を重ね、2002年4月に来日してからは、叡山学会、天台学会、印度学仏教学会、仏教文化学会などの学会での発表を通じて、新たに教学面よりの研究を進めてきました。 今後は、高麗の白蓮結社の流れの中での雲默の立場および雲默の思想の独自性を綿密に分析したいと思います。特に、雲默の浄土念仏との関係を中国・韓国・日本の三国におけるそれぞれの天台浄土思想の特色との比較を通じて考察し、『釈迦如来行跡頌』の天台思想史の中での位置づけを目標にし、研究を進めていきたいと思います。 ■将来の抱負 韓国天台宗の教学と実践の整備充実に寄与したいと願っております。韓国天台宗は11世紀の高麗の大覚国師義天(1055〜1101)により宗派として確立されましたが、1945年に中興されるまでの間の歴史と思想に関する研究が未だ明確になされておりません。 このような問題意識から既に2004年度、また、2007年度の韓国天台宗主催の天台学術大会にて研究発表させていただきました。2007年度からは1200年の伝統を持っている日本仏教の母山である比叡山の文化研究員として、天台宗の教学と実践に関する比較研究を進めております。 また、日本天台宗の僧侶の養成機関である叡山学院にて仏教学(釈尊伝)を教えております。 なお、2005年度には京都府名誉友好大使に選ばれました。専門の仏教思想史の立場から人々の心に橋を架ける国際交流にお役に立ちたいと願っております。 今後はこのような日本の留学生活での大事な経験をいかして、中国・韓国・日本の仏教交流の促進および仏教の国際学会の交流、仏教の社会に対する貢献のため、微力ながらお役に立ちたいと願っております。 ■奨学金を必要とする理由 現在、日本の留学生活の経費は全て自費で、奨学金はどこからもいただいておりません。 研究の業績が認められて外国人としてはじめて比叡山文化研究所の研究員になりましたが、研究補助金はいただいておりません。また、京都府名誉友好大使の奨学金も今はいただいておりません。 今年もより一層研究を進めて、印度学仏教学会、天台学会、仏大仏教学会などの学会で発表させていただきたいと思っております。 博士論文を書くのにより集中することができますよう、人々の役に立てる研究の成果を持って韓国へ帰れますよう、また、京都府名誉友好大使としての活動が留学生活の良い思い出になりますよう、何卒お力添えのほどよろしくお願い申し上げます。このような事情により、奨学金を申請いたします。 スピーチ内容(未提出) ■申請者名 Phillip Baily(フィリップ・ベイリー) 男 国籍 USA 生年月日 1981年12月6日(満27歳) ■所属 花園大学文学研究科仏教学専攻修士二回生 ■推薦人 花園大学文学部国際禅学科 吉田叡禮 本人(Phillip Baily)氏は、非常に真面目な性格であり、礼儀正しく物静かな人物です。しかし、研究に対しては極めて熱意を有しており、積極的かつ行動的です。また、日本語も堪能で、日本の宗教文化に対し、深い関心と理解を持っており、地に足をつけた研究方法も解して、これを英語で理論的に説明する能力をもっています。 将来的に我が国の仏教思想研究を情報発信に多くの貢献をしてくれる貴重な人材となることが大いに期待できますので、貴仏教クラブ奨学金の申請にあたり、強く推薦させて戴く次第でございます。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者)Phillip Bailyを推薦いたします。 ■現在の研究・勉学の内容および目的 私の研究目的は『法華経』における久遠実成思想の意味を明らかにすると共に、その後の久遠釈迦の解釈、特に天台と天台密教の歴史的展開を辿り解明することである。現在作成中の修士論文『久遠実成思想の研究』では、天台密教における久遠釈迦大日一体観を示す法華曼荼羅と取り扱い、施主、地域、成立年代、如何にそれらが用いられたか等を探り、その社会的背景を究明したい。 また、京都の伝統や文化についても、あらゆる面で学んでいる。過去、2004年秋から一年間、京都の裏千家学園茶道専門学校に在籍し、茶道の実践と日本文化の研究を行った。昨年は勉強のために京都・観光文化検定試験の二級を取得した。自分の目で見て体験することを大切にしており、京都の寺社を参詣、見学し、京都の貴重な行事へも頻繁に足を運んでいる。こういった経験を活かし、将來は英語圏に積極的に情報を発信していきたい。 ■将来の抱負 将来、仏教美術を通して、仏教の教えと思想を英語圏に広めたい。従来の美術史的研究を超え、社会学的方法論も用いた思想史学的研究を推し進め、宗教美術の象徴的側面への研究も行っていきたい。特に英語圏では仏教美術が語りかける意味やその社会背景関係に関する研究はあまり進んでいないので、それらの研究を推進すると同時に、その成果の英訳を進展させたいと強く望んでいる。特に日本の曼荼羅、例えば両界曼荼羅、別尊曼荼羅、参詣曼荼羅、垂迹曼荼羅、浄土曼荼羅、仏画、図像や絵解きなどを取り扱いたい。 また、これと同時に愛する京都の寺社や行事等についての研究にも携わりたい。しかし、これらに関する英語による研究や情報は不足しているのが現状であるので、京都の寺院の歴史や宗派、教え、寺社の行事の精神といったことを英語圏の人々によりよく理解させたいと考えている。これを以って日本の精神の理解をより国際的に広められると期待するものである。 ■奨学金を必要とする理由 現状は貯金を切り崩して生活しております。しかし、実地調査や書籍の購入には決して充分とはいえず、不足しております。奨学金を頂くことができましたなら、更に勉学に集中することができ、研究を充実させることができます。何卒御高配のほどお願い申し上げます。 スピーチ内容 ■申請者名 LE NHU THU HANG(釈尼安如 レ ニュ ト ハン ) 女 国籍 ベトナム 生年月日 1975年6月14日(満34歳) ■所属 大谷大学大学院文学研究科修士課程仏教学専攻1回生 ■推薦人 大谷大学准教授学生部長 木越康 ベトナム出身の尼僧で、これまでベトナムの仏教大学、京都の仏教大学で仏教研究を続けてきました。本年度から大谷大学大学院で古代インドの思想を学びながら初期仏教思想の研究を志しています。古代のインド語、サンスクリット語やパーリ語による文献研究を行っております。本学にて仏教研究業績を積み、博士論文提出後はベトナムに帰って研究職に就くことを希望しております。ご高配のほど、よろしくお願いいたします。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者)レ ニュ ト ハンを推薦いたします。 ■現在の研究・勉学の内容および目的 私の研究テーマは「大乗仏教における菩薩行の研究」である。菩薩行に関する仏教聖典を参考文献をしている。また、倶舎論などのテキスト経典を読むため、サンスクリット語とチベット語とパーリ語も勉強中である。 人々に仏の教えを広げるため、また、ベトナム仏教の学術的や研究的な令域に自分の力が発揮できるように私は留学を決心して大谷大学に入りました。 ■将来の抱負 大谷大学博士後期課程へ進学することを希望しています。博士論文を提出した後、帰国してベトナム仏教研究の領域にも視野を拡げようと思います。ベトナム仏教大学に就職する見込みがありますので、教師として後輩を育成しながら仏教研究を継続する予定です。 ■奨学金を必要とする理由 私は大学院の一回生で集中に勉強しなければなりません。アルバイトをしないため、自分の生活が貧しいので奨学金を必要としています。 スピーチ内容 ■申請者名 Tin Mar Oo (ティン マー ウー) 女 国籍 ミャンマー 生年月日 1975年6月13日(満34歳) ■所属 龍谷大学文学部仏教学科3回生 ■推薦人 龍谷大学教授 淺田正博 本人は在家出身ですが、ミャンマー仏教と日本仏教との比較研究をおこなう為に留学し、出来れば大学院への進学を望んでおります。日本語も充分に話せ成績も上位におります。帰国後は土着信仰を改めて仏教徒になるようミャンマー仏教の為に努力したいといい、日本仏教との交流に尽力したいと希んでおります。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者)ティン マー ウー氏を推薦いたします。 ■現在の研究・勉学の内容および目的 研究テーマ「現代における信仰形態の一考察」(ミャンマー仏教と日本仏教の比較を通して) 内容・僧侶と在家の関係について ・ 僧侶の立場について ・ (民衆)在家の立場について ・ 日常生活における、僧侶の行動と在家の行動について ・ 日常生活以外における、僧侶の行動と在家の行動について ・ 寺院の存在理由、日本の場合とミャンマーの場合 目的・人間として生きている内に仏教を信仰すること ■ 将来の抱負 日本にいる間に、仏教についてよく勉強して(徹底的に)、将来は、私と出会う人々に仏教の大切さを伝えられるようになりたい。仏教を信仰して本当の仏教徒に変えるように進めて行きたい。 ■ 奨学金を必要とする理由 仏教についての本、辞典などを(手元に)持ちたい。図書館で勉強できるけど、なるべく自分で持ちたい。図書館では夜遅くまで勉強できないので(貸し出しできない辞典のため)不便です。いろいろな本、辞典などを買う為に奨学金が必要となっております。日本仏教についていろいろな所に行って、いろいろなお寺に行って研究するのに奨学金が必要となります。 スピーチ内容 |
| 2010年7月11日更新 ※原文のまま掲載しています。 |
|
※2011年度から、奨学金授与者の在籍する対照となる『大学院を擁する京都の仏教系大学』が今回の様に四校に変更なりましたので、それぞれの対象者には各25万円が授与されることになりました。 |