2011年度 仏教クラブ奨学金授与者 発表
2011/12/10 更新
今年度の授与者は、以下の各氏に決まり、 12月9日の例会会場にて授与式が、開催されました。
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| 向って右から、ベトナムのグェン ヴァン ナムさん、中国の張 喬さん、イタリアのメルクール オズヴァルドさん(遅れて来られた為代理人)、中国チベット自治区のラ モ ジョ マさん、森清範会長、松浦俊海副会長、若林卯兵衛副会長。 授与後、受与者を推薦して頂いた各学校の先生方を代表して龍谷大学大学院の淺田 正博教授が、挨拶。 「仏教クラブ」の皆さんから、「奨学金」を頂いたということは、生きた仏法を実践されている皆さんからの温かい心の支援と捉え、学問としてだけではなく、仏教の心こそを大切に、これからも仏教を学んでいって欲しいと、受賞者に語りかけ、礼をのべられた。 |
○申請者名 張 喬 (ちょう きょう) 女性 国籍 中国 生年月日 1986年 9月 18日 (満24歳) 申請者 本人 〇所属 佛教大学 文学研究科 仏教文化専攻 修士課程1回生 ○所属先 〒603−8301 京都市北区紫野北花ノ坊町96 佛教大学国際交流課 電話番号 075−491−2141(代) 〇推薦理由および推薦者(所属・氏名) 張氏は本年度より本学大学院にて研究を行っている院生である。学習意欲も高く、また問題意識もはっきりとしており、将来の研究の大成が期待される学生である。よってここに張氏を推薦する次第である。 推薦人 佛教大学 歴史文化学科教授 安藤佳香 〇現在の研究・勉学の内容および目的 研究内容: 現在は中尊寺の金色堂に関する仏教彫刻、及び堂内の荘厳な研究を軸として、平安後期の定朝様彫刻や、仏教美術の中の動物表現などの面に研究を広げている。 目的: 平安後期と推定される中尊寺金色堂の諸尊像は定朝様の仏像の中にどんな位置づけをしているのか、及び金色堂内の華やかな荘厳に潜んでいる宗教的な意味を明らかにしたいと考えている。 〇将来の抱負 仏教美術史の研究を続けたいと考えている。日本に学んだ知識、研究方法及び仏像の鑑賞の仕方を、これからの中国での仏教美術の研究を生かし、中日仏教文化や仏教美術の交流活動にも少し役に立ちたいと思う。 〇奨学金を必要とする理由 仏教美術の研究には、現地見学、即ち自分の研究対象をはじめ、色々な仏像は図録や写真で見るより、実際に本物を見るほうが良い。しかし、それで生じた交通費や宿泊代などは学生として、莫大な金額である。 それに、仏教美術の研究に必要とする図鑑や本は、ほかの専攻のものよりはるかに高いため、これから自分の研究だけではなく、もっと広い範囲で勉強するために、やはり外部からの支援金が必要となる。 以上の理由で、今回奨学金は自分にとって、大変重要なチャンスであり、尚且つ研究を進めるために重要な支援だと思う。 張 喬 |
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■ 申請者名 NGUYEN VAN NAM(グェン ヴァン ナム) (男性) 国 籍 ベトナム 生年月日 1977 年8月18日(満33歳) ■ 所属 龍谷大学大学院 文学研究科 仏教学専攻 1 回生 所属先 〒612-8577京都市伏見区深草塚本町67 龍谷大学宗教部 (担当:松崎) 電話番号 075-645-2381 ■ 推薦理由および推薦者 グェン・ヴァン・ナム君は特別留学生として大学院修士課程に在籍している。授業態度は熱心で、常に僧服を着けて授業を最前列で受けている。 ベトナムからの留学生は少なく、特に中論思想を研究する者はほとんどいない。氏は貴重な学生である。 今後は、正式に大学院生として研究を続けていきたいという希望をもっているので、ぜひ奨学生として採用していただきたい。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者) グェン・ヴァン・ナム を推薦いたします。 推薦人 龍谷大学大学院教授 淺田 正博 現在の研究・勉学の内容および目的 私の研究テーマは中論思想である。ベトナム国では大乗仏教が信仰されているが、日本のようなほかの国と較べて深くて広いアカデミックな基盤がない。ベトナムの学者にはこの分野を研究する人があまり多くないのである。その上、ベトナム語で出版されている中論の翻訳書はとても難解で、サンスクリット語の中論文献に対する多くの間違いがあるが、それは中国語訳から翻訳したからであると思っている。 現在、私は龍谷大学大学院の修士課程に特別留学生として在学し、サンスクリット語やパーリ語、チベット語のほか、基礎的な知識の習得に努めている。 大学院へ正式に入ったら、まずサンスクリット語の原典を直接読むことができるように努め、中論思想に関する仏教用語を身につけ、中論思想の根本的な内容を把握するため、研究テーマに関係する授業はもちろん、それ以外の授業についても積極的に聴き、自分の見識と視野を広げたいと考えている。 将来の抱負 今後、龍谷大学大学院の修士課程に進学し、修士の学位を取得したい。卒業した後にはベトナムへ帰り、微力ではあるがベトナムの仏教学の基礎研究や発展に寄与したいと思っている。 日本の大学で勉強したことと経験したこととを基盤として、ベトナムで仏教を学んでいる人々に教えながら、日本の仏教学者と交流を続け、両国の仏教研究の発展のために尽くしたい。 奨学金を必要とする理由 私は私費留学生としてアルバイトをしながら大学院で勉強しているが、物価の高い日本での生活の大変さに、人間の限界を過ぎた気持ちがしている。 アルバイトに追われずに、研究に集中できる時間がほしいため、貴クラブ奨学金の支援をお願い致したい。 |
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■申請者名 LA MAO ZHUO MA (ラ モ ジョ マ) (女性) ・国籍 中国(チベット自治区) ・生年月日 1988 年 12月 13日(満 22歳) ・申請者本人 ■所属 大谷大学 大谷大学 大学院 文学研究科 修士課程 1 回生 ・所属先 〒603-8143 京都市北区小山上総町 大谷大学 学生支援課 電話番号 075-411-8119 ■推薦理由および推薦者(所属・氏名) ラモ ジョマさんは、チベット青海地方の出身で、大学では日本語を専攻した。 本学の大学院に留学して、仏教思想を背景に童話や詩を書いた宮沢賢治を研究テーマに選んで勉学に励んでいる。宮沢賢治については、これまでにも多くの研究が積み重ねられてきているが、それを毎週丹念に調べてきており、非常に熱心に研究に取り組んでいる。彼女がこの研究を完成し、同じ仏教徒であるチベット人に宮沢賢治を紹介して欲しいと考え、貴クラブ奨学金受給者としてラモ・ジョマさんを推薦する次第である。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者) ラモ・ジョマ さん を推薦いたします。 推薦人 大谷大学 文学部 教授 福 田 洋 一 ■現在の研究・勉学の内容および目的 詩人、童話家、宗教家、教育家という多くの顔を持つ、宮沢賢治の童話作品に見られる仏教思想と実践について、宮沢賢治のいくつかの童話作品を中心にして研究したいと思っています。チベット人の間で文学を研究する人はたくさんいますが、チベットの文学を研究するだけで、外国の文学を研究する人はほとんどいません。チベットは仏教の影響が強く、社会に仏教が根づいている地域です。そのようなチベットに、仏教との関わりが強いとされている宮沢賢治の童話作品を紹介することは大変有意義なことだと思います。彼のことを紹介することができるようになるため、彼の思想や生涯などを研究することは重要だと思います。 ■将来の抱負 修了後は自分の専門を深めるためやさまざまな文化を勉強するために大谷大学博士課程に進学を希望しています。その後、帰国するつもりです。日本で学んだ知識や体験を基にして宮沢賢治の童話作品をチベット語に翻訳し、また日本の文学をチベット人に紹介していきたいと思います。 ■奨学金を必要とする理由 日本語は母語ではないので、自分の日本語の水準を向上するために日本語の本、雑誌、新聞を読んでいます。さらに宮沢賢治は日本および海外で有名な文学者で、私の研究と関係がある先行研究も多いので、それを読まなければならないです。学校の図書館にも宮沢賢治のことを研究している資料は数多くあり、借りることができますが、本に線を引いたり、注を付けたりするのは禁止であるので、深く読むことはできないため、ある資料をコピーしたり、購入して読むのは重要です。また、学校の図書館に置いていない資料もたくさんあります。それゆえ、自分の日本語の勉強と研究の資料を集める費用に使いたいと思って、奨学金を申し込みました。私はこれからも一生懸命勉学に励みたいと思っています。 |
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■申請者氏名 MERCURI OSVALDO(メルクーリ オズヴァルド) (男性) ・国籍 イタリア ・生年月日 1973年 11月28日(満 38歳) ■所属 花園大学 大学院 博士後期課程 文学研究科 仏教学専攻 2回生 ・所属先 〒604-8456 京都市中京区西ノ京壺ノ内町8−1 花園大学学生課 電話番号 075-823-0587 ■推薦理由および推薦者 申請者のメルクーリ・オズヴァルド君は、現在、花園大学大学院博士課程において禅学の研究に励んでいる学生ですが、きわめて高い日本語能力と、すぐれた文献学的資質を具えており、優秀な成績を修めております。これからの仏教研究において、日本と海外諸国との貴重な架け橋になるものと期待されますので、その学業を応援する意味で、奨学金の授与を心よりお願い申し上げます。 以上、仏教クラブ奨学金受給者として(申請者) メルクーリ・オズヴァルド君 を推薦いたします。 推薦人 花園大学教授 佐々木 閑 ■現在の研究・勉学の内容および目的 現在の研究は鎌倉〜室町時代の臨済宗の禅思想を中心にして、具体的には夢窓国師と大燈国師の禅風と思想の比較研究です。これに関しては今年「夢窓疎石と宗峰妙超の方便思想の比較 ―『西山夜話』と『祥雲夜話』を中心に」という題の論文を投稿しました(『禅文化研究所紀要』、第三十一号)。それに、最近大燈国師の墨蹟に関心が出来て、適切なソフトウェアを利用することにより大燈が残した文字を全て整理する作業を始めました。また、大燈と夢窓の頂相の偈の解釈と訳に取り組んでいます。最後に、漢文の理解を上達させるために、来学期から中国語の勉強を始める予定です。 ■将来の抱負 私のもっとも大きな抱負は日本に住みながら禅宗の研究を続けて、ちゃんとした研究者として大学に勤めることです。そして、論文であれ発表であれ講義であれ、今習っている禅文化の内容を日本人にも外国人にもきちんと伝えることです。禅宗の文献学研究の場合、やはり西洋よりも日本や中国で行われた方が遙かに効果的だと思います。とりわけ我々西洋人はまず基礎知識を身につけなければ本格的な研究にならないので本邦になるべく長い滞在することが望ましいです。禅宗の基礎研究は比較的若い分野であって、まだ理解されていないところが非常に多いと思うのですが、そこで私はいかに小さくても貢献をしたいと考えています。また、仏典や禅籍を英語にもイタリア語にも翻訳することにより常套的 知識だけでなく、新しい研究の成果と本当の仏教の知恵を西洋にも普及させたいと思います。 ■奨学金を必要とする理由 主な理由は研究用文献を購入する必要性です。これからの研究を考える上で、様々な訓読された禅籍と辞書を参考にする必要となるので、なるべく手に入れたいと思います。その中に、大燈国師語録に白隠が自分のコメントをつけた『槐安国語』(禅文化研究所)、『夢窓国師語録』(禅文化研究所)、『禅の語録』(筑摩書房)、『国訳禅宗叢書』(第一書房)、『景徳傳燈録』(禅文化研究所)、『五燈會元』(禅文化研究所)、『佩文韻府』(上海書店)などがあります。以上の文献は大学の図書館で閲覧することはできますが、本によって貸し出しはできない場合もあります。いずれも値段の高い書物であり、今までは購入することができませんでした。その上、本を手に入れたら日本だけではなくイタリアに帰ることがあるときも研究を続けることができると思います。また、奨学金を頂けるようになったら、まだ行ったことがない鎌倉の五山を訪れたいと考えています。 |
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※2011年度から、奨学金授与者の在籍する対照となる『大学院を擁する京都の仏教系大学』が今回の様に四校に変更なりましたので、それぞれの対象者には各25万円が授与されることになりました。 |