2019年1月25日(京都新聞)

寒中に仕込む表具の糊 
10年ほど寝かせ使用
  下京の老舗で「寒糊炊き」

10年後に使う糊を作る「寒糊炊き」の作業にいそしむローゼンジヴェグさん (京都市下京区・宇佐美松鶴堂)

掛け軸や巻物の裏打ちに使う糊を大寒の頃に仕込む「寒糊炊き」が京都市下京区の表具の老舗「宇佐美松鶴堂」であった。小麦粉のデンプンと井戸水を火にかけて混ぜ、約20Kgを仕込んだ。

寒の時期に炊いた糊は、夏場に発生するカビを除去したり水を入れ替えたりするなどの手入れをしながら10年ほど寝かせたあと、「古糊」として使う。

毎年若手社員が中心となって炊いているといい、今年はフランス出身のヨアン・ローゼンジヴェグさん(38)が中心となって作業を進めた。
ローゼンジヴェグさんたちは、直径60cmほどの鍋に入れたデンプンと水を木製の棒で1時間ほど混ぜ続けた。
粘りが出て白から半透明になる頃が完成といい、ローゼンジヴェグさんは「力を入れて混ぜ続けなければならないのが難しい。10年後にいい糊になるよう頑張りたい」と話した。(太田敦子)