仏教関係者が京都に集う会

良寛さま

良寛さま

幕末の有名な禅僧、良寛さまの実家は名主でしたが、後を継いだ弟の代には、家運が傾いてしまったようです。
弟の倅「馬の助」も放蕩息子でした。
ある日、弟夫婦は良寛さまに家の窮状を訴え、馬の助に意見をしてくれるようにと依頼しました。

実家にしばらく滞在して、この依頼に応じようとした良寛さまでしたが、馬の助には一言も言えませんでした。
そして帰りがけの事、「馬の助さん、すまんが草鞋のひもを結んでくれんかの」。
馬の助が良寛さまの草鞋のひもを結び終わろうとしていた時、その手の甲に涙がポトリと滴りました。
良寛さまは、そのまま黙って出て行きましたが、馬の助はその涙を見て「ああ、なんなんだ俺は。
これから真人間になろう」と決意し、この日から、馬の助の放蕩は止んだということです。

良寛さまは、一言も発せられませんでした。しかし良寛さまは、慈愛を持って彼を導いたのです。
愛情から湧き出る涙は、100の言葉以上に馬之助に響いたのでした。

時には無言も非常に大切な言葉となります。口先だけが言葉ではありません。
身体全体からほとばしるものが、愛の言葉となります。
たった一滴の「愛のこもった涙」が人を変えたのでした。

言語表現によって何かを相手に伝えようとすると、かえって本当の事から遠ざかることがあります。
相手のことを大切に思う気持ち、子供たちのことを大切に思う気持ち。
時には言葉など必要ないのかもしれません。

※【放蕩】ほうとう《名・ス自》酒色にふけって品行がおさまらないこと。酒や女におぼれること。

※7月例会案内より

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