仏教関係者が京都に集う会

海舟の返事

 

勝海舟

勝海舟が、新政府の重要ポストに就任した折、福沢諭吉が海舟に批判文を送りました。
「敵の作った新政府に加わるとはどういうことか」とのことでした。

海舟はこんな返事を書いたそうです。

「行蔵は我に存す。毀誉は他人の主張。我に与からず我に存せずと存候」。

この文中の「行蔵」「毀誉」は仏教語で、「行蔵」とは世間に現れたり隠れたりすること。
「毀誉」は謗りと称賛のことで、お釈迦さまは「八風(利衰毀誉称譏苦楽)吹けども動ぜず」との教えを残されました。

つまり海舟は、「自分のやっていることが褒められようと貶されようと、そんなことに左右されてはいけません。
第三者など勝手な批判をするものです。
自分の信念に基づいて、責任をもって行蔵したらそれでよいでしょう。」と諭吉に言ったのです。

私達は、人の言う事に左右されるばかりか自分の責任を人に転嫁しようとします。
自分が辞めることになったのは彼奴のせいだ、自分の失敗は此奴のせいだ、等々です。
そのくせ、良いことがあると、自分の手柄にしたがります。

人間はたった一つの原因で、出処進退することはありません。いくつかの原因があったからです。
本当の原因を究明したいところですね。

文:鈴木顕道

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