2001年9月14日  九月 (秋彼岸会) 例会  
メンバースピーチ:『雷と避雷針』 白坂弘子会員のご子息、(株)日本電機商会代表取締役社長 白坂 淳氏

  仏教クラブ 九月(彼岸会) 例会
 岸といえば思い浮かぶ、彼岸花。真っ赤に燃え上がるような美しさ、力強さ、いっときに咲き、すぐに枯れるはかなさもある花「はなしぐさ」とも呼ばれます。
花が咲いている時に葉を見ることがないからでしょう。
一年をかけて、この時(秋)のために準備するその生態はあまり知られてないようです。
綿密な準備が大切。
 第八回「三宝の集い」は東山・高台寺門前のギャラリー円夢を会場に、11月19日〜15日の7日間と決定、急ピッチで準備中です。会員の皆様のご協力をお願い申し上げます。
 

五十嵐会長開会の挨拶
11日、米国において、NY貿易ビルに旅客機2機激突、崩落やペンタゴン激突破戒テロについて、開会の挨拶として語られた。

      

アメリカという現代の地球上における最強の大国が、本土攻撃を受けた事は、遺憾であるし、イスラム教徒によるテロであることに宗教者としてショックを隠せないと前置き。
現在、確定ではないが、オサマ ビンラディンというイスラム原理主義の指導者が主犯として、潜伏中のアフガニスタンを攻撃する準備に入っているという。
報復をすればまた報復と必ず、絶え間ない惨劇が繰り返されるであろう――。
宗教者として、やはり、イスラムも含めた世界宗教者サミットの必要性と実現を提唱して、開会の挨拶に代えられた。



雷と避雷針
(株)日本電機商会
日本電機商会代表取締役社長

 白坂 淳



大気は導電率がきわめて低く、通常は絶縁体として扱われる。ところが大気に加わる電位差が1mあたり5×105Vをこえると、この絶縁が破壊され(大気の電離破壊が起こり)、火花がとんで、瞬間的に電流が流れる。
この火花放電は、雨、雪、ひょう等を降らせる対流雲の発電作用によって生じ、
その規模はきわめて大きく、放電路の長さは2〜20km(代表値5km)で、中和する電荷は3〜300C(代表値25C)である。
 また、火山の噴煙による電荷分離作用が火花放電を起こす場合があり、火山雷とよばれる。大火災、大気中の核爆発によっても大規模火花放電を生ずることがあり、前者は火事雷とよばれる。
[雷雲] 
 雨、雪、あられ、ひょう等を降らせる対流雲は、程度の差はあるが、すべて正負電荷を分離する発電作用がある。この発電作用がとくに強く、大気の絶縁破壊、火花放電を起こす雲が雷雲である。
 雷雲の発生は夏が多いが、季節を問わず前線の通過に伴って雷が起こることがあり、日本海沿岸の地方では、冬季シベリアからの寒気の吹出しで生ずる雪雲の中でしばしば雷が起こる。
夏の雷雲、あるいは熱帯地域の雷雲は、雲頂が地上8kmから16kmに達し、対流雲の中ではもっとも背が高いものに属する。
これに対し、冬の日本海沿岸の対流雲は、雲頂高度3〜6kmで雷を起こす。雷雲の高さを地表からの距離で表すと、緯度と季節でまちまちになるが、高さをそのレベルの気温で表すと、雷雲は共通して−20℃あるいはさらに気温の低い上層まで発達している。
[雷雲の電荷とその発生機構] 
 雲の上部に広く正電荷が分布し、ひょうの激しく降る領域に負電荷が濃密に分布する。
雲底付近に局部的な正電荷が観測される例もしばしば見られる。
正負相互に吸引する電気力に抗して電荷を引き離し電荷分布をつくる原動力は、雲粒を吹き上げる上昇気流と大粒のひょうを落下させる重力の働きであることは判明しているが、雲粒に正、ひょうに負という最初の電荷分離を起こす機構については、従来の学説はどれも不十分で、研究が続行されている。
この電荷分離は−20〜−40℃の低温域で行われているので、氷と氷の接触する界面現象に起因すると考えられている。
[落雷と雲放電、電光の形態]
 雲中の負電荷と、地表に誘導される正電荷との間に起こる放電が、落雷であり、雲中の正負両電荷の間の放電は雲放電とよばれる。
背の低い冬の雷雲では、上部の正電荷と地表との間で放電を起こす落雷もしばしば発生する。
雲放電の場合は厚い雲にさえぎられて放電路を直視できない場合が多く、夜間では雲全体が明るく輝くのが見られ、これを幕電という。落雷の場合は雲底下に現れる放電路を直視することができる。
通常の落雷では、大気の絶縁破壊が雲中の電荷から始まって、大地に向かって進む。この場合、雲と大地を結ぶ主放電路に加え下向きの枝分れが現れることが多く、樹枝状放電とよばれる。
高い塔や山頂への落雷の場合、上向きの枝分れが見られることがあり、この場合は最初の大気の絶縁破壊は、塔、山頂から始まる。
 落雷、雲放電ともに放電の規模は同程度であり、長さは2〜20km(代表値5km)で、0.1〜1.0秒(代表値0.4秒)にわたって多数の火花放電をくりかえし、雷雲細胞に分布する電荷の大部分を中和しつくす。
落雷の場合は雷撃 stroke とよばれる雲と大地を結ぶ放電を1〜14回くりかえす。
[人体への落雷]  
多数の模擬雷撃実験や人体への落雷事故の精密な調査、研究により、従来流布している心得や考え方には根拠のないものが多いことが判明した。この研究により以下のような知見が得られている。
(1)落雷に対しては、皮膚、衣服、帽子、靴等――雨合羽もゴム長靴も――すべて雷撃電流を阻止する絶縁効果はなく、直立する人体は頭から両足まで300Ω の電気の導体として作用する。

(2)人体面に沿っては、空気の絶縁が非常に破壊されやすくなっていて、物体がなく空気だけのときにくらべ、約1/2の電位差で火花放電が進展する。その結果、体内を流れる電流(体内電流)だけでなく、体表に沿った空気中での放電、つまり沿面放電による電流が加わり、落雷にとって人体はきわめて通りやすい通路となっている(図4参照)。

(3)沿面放電は、人体に火傷や電紋(赤灰色の細かい分枝をもつ樹枝状の模様)を生じさせるが、これは皮膚の軽度の熱傷で、容易に治癒する。

(4)死因は呼吸停止、心臓停止で、体内電流によるエネルギー(電流×電圧×時間)が体重にくらべ一定量をこえるときに起こる。体内電流の割合が小さく致死レベルにいたらないときは、後遺症なしに回復する。雷撃直後の人工呼吸、心臓マッサージは有効な救急手段となる。

(5)身体につけた金属製品があると、そのまわりに集中的に沿面放電が起こり火傷を生ずるが軽度のもので、致命的な体内電流はそれだけ減少する。

(6)落雷を誘引するのは、人体の帯びる金属ではなく、人体そのものである。頭より上方に突出する物体があると、金属、非金属にかかわらず――釣竿でも木製バットでも――落雷を誘引する効果が増大する。雷にうたれないためには、姿勢を低くすることが大切で、金属をすてても少しも安全にはならない。

(7)樹木、避雷針のないポール、煙突等の近くは二つの理由で平たん地より危険である。第1にこれらのものは人体より落雷を誘引しやすく、第2にこれに落雷すると雷撃電流の主流が人体に移行するからである。これを防ぐには、これらの物体、枝先、葉先等すべての突端から2m以上はなれている必要がある。   

[雷雲の構造、雷雨細胞] 


 雷雲は雷雨細胞(雷雨セル)thunderstorm cell からなる雲の集団であり、単位となっている細胞は、上昇と下降の気流の対からなる直径3〜5kmの対流雲で、幼年期、成年期、老年期という経過をたどる寿命45分程度のきわめて短命の気象現象である。

幼年期の雲は、多量に水蒸気を含む下層大気の上昇でつくられ、成年期では上昇気流がいっそう強まり、雲の上部に大粒のひょうが形成され、その激しい落下運動にひきずられて下降気流が生じ、上昇、下降の気流の対ができる。
上昇気流がおとろえると雲の発達はやみ、下降気流だけからなる老年期に入り、雲は消滅する。長時間活動をつづける雷雲中では、つぎつぎと新しい細胞が発達し、広域にわたる雷雨では、多数の細胞が同時に活動する。夏の激しい雷雨は、前線とともに毎時20〜40kmで移動するものが多く、このときは進行方向につぎつぎと新しい細胞が発生する。
どうすれば、雷から社寺建築を守れるか

金網などですっぽり包んで、電気を地下に逃がすことが最良の策だが、それは、非現実的なので、避雷針というものが必要と説明。
会場に持参された、新品の避雷針や社寺屋根用の放電用の銅版、銅線、を会場に回覧した。
〔雷のパワー、エネルギー〕

右の写真は、雷の威力、パワーで、曲がってしまった、役割を果たした後の避雷針。

最後に、エピソードとして、一回の雷のパワーは、80マイクロ秒と言って、百万分の80秒の間に100Kaで1億Vの電力を発するそうだ。これは、平均的な家庭の1ヶ月の電気使用量と同じ位で、300Kwhだそうだ。
つまり、雷一発、6494円の計算(関西電力価格)になるらしい。

飛行機は安全と言われているが、雷が落ちやすい構造物で、翼にいくつもの避雷針を装備し、まず、雷雲を避けて飛ぶとか。
また、雷の放電から次の放電までは、統計学的に1分間は、ないようなので、安全な場所(低いところ)へ避難することだそうだ。

関連サイト:雷センター


Photo& Report:Shokan Fujino

写真・構成・文:Shokan Fujino