家田隆現
いえだ りゅうげん

昭和2年生まれ

浄土宗 大本山 
金戒光明寺:執事長



京都 西雲院:住職

老い は 孤独 に非ず
家田隆現

 この秋七十三歳になる。

 死ぬまで持ち込む病を三つ四つ抱え、手足、眼、頭すべての機能が老化し、安養国へ先に往った友人が、遥か吾が名を呼ぶようになると、頑張っている我が身が疎ましくさえなる。

 老病死はそれぞれ独立し たものではなく、死は生まれたときからの約束。

老や病は年齢を加えるにつれ、 死に加速をつける。

四苦八苦は人ごとではなく、我が身のことであった。

阿弥陀仏は、かねがねお念仏の仲間。  

一回限りでも、お迎えくださるだろうが、六十歳を過ぎてからの自行のお念仏が精神安定剤になって、加行の際に誓った日課、念仏三百遍 がどうにか保てるようになった。

 現在、死の恐怖はなくなり、老妻ともども安定 している。

願わくは臨終のタベもかくありたいもの。

老いは孤独に非ず。


中外日報2000/8/29号:けさの一言より
浄土宗 大本山 金戒光明寺:執事長