昭和27年生まれ

京都単立寺院
西国第20番札所

善峯寺:副住職


西山善峯つれづれ

掃部光昭

かもん こうしょう


三つの呪文

                                

掃部光昭


 みなさんは、お寺や神社にお参り に行かれたことがあると思います。
お寺は仏教、神社は神道、二つの宗教をちゃんと受け入れている民族は、大変珍しいそうです。  

 私たち日本人はこのことを源にして、日常生活 を健康で安らかに送ることができるようにと、三つの呪文を唱えてきたのです。
それは、「ばちがあたる」 「もったいない」 「ありがたい」の言葉 です。

「ばちがあたる」というのは、目に見えな い力に対して畏れの念を持つ謙虚な心で道教の流 れをくむ日本の神道の教えです。
「ありがたい」 は、まさに仏教そのものです。
「ばちがあたる」 「もったいない」 「ありがたい」、この三つの言葉は、私たち日本人の祖先が守りつづけて、語り継いで私たちに残したすばらしい呪文だと思います。

よく「私は無宗教です」という人も日常で使っ ています。
説明しなくても、子供達にだってちゃんとわかります。
これほどわかりやすく、それぞれの宗教の教えをズバリといっているのですから、 私たちはもっと活用しなくてはいけないと思います。

むずかしい理屈はいりません。
日々の生活の なかで素直な心で「ばちがあたる」 「もったいな い」 「ありがたい」と呪文のように唱えることによって、身も心も、そして暮らしにも調和が取れてくること間違いありません。
この三つの呪文で、来たる21世紀をすこやかにお過ごしください。

 追文、  我が家では、家族みんなが仏恩によって生活さ せていただいております。
せめて食事を戴く前のことば(食前観)、食事の後のことば(食後観) を称えることに致しております。

 子供達も、幼い頃は、少し面倒な顔をしたこと も有りましたが日がたつにつれて習慣になり、今日では、あたり前の様にみんなで大きな声で、称えています。

これが三つの呪文の根本に成ってい る一つの様に思います。

「食前観」
吾今季いに仏祖の加護と衆生の恩恵に依って、 この清き食を受く、謹んで食の来由を尋ねて味の濃淡を問わず、その功徳を念じて品の多少を選らばじ。
いただきます」

「食後観」
吾今この清き食を終わりて心豊かに力、身に充 つ、願わくはこの心身を捧げて己が業(わざ)にいそしみ、誓って四恩に報い奉らん。
ごちそうさま」

是非みなさま食前、食後のことばをお称え下さ い。
必ず良い仏縁が有ると確信いたします。

四恩とは、

第一に、天地自然の恵み、
第二に、先祖 の恩、
第三に、両親の恩、
第四に、仏の恩です。


京都:善峯寺 副住職
西山善峯つれづれ