仏教関係者が京都に集う会

平成12年(2000年)7月例会報告

ゲストスピーチ 彩墨画家 水江東穹(みずえとうきゅう)氏 『良寛にあこがれて』

開催日:2000年7月14日(七月(夏安居)例会)

雨明け宣言には、いま少し時間がかかりそう。

天気予報が気がかりで、 夏本番の声を心待ちにするこの頃。今年も、夏安居例会の時期となりました。

久々 のゲストスピーチです。京都のご出身で、彩墨画家としてご活躍中の、水江東穹先生をお迎えします。ライフワークとして取り組んでおられる「良寛和 尚とこどもたち」をテーマにした作品と花鳥画で八月末には京都高島屋で個展を開催されるとか、その準備でお忙しいさなかを、お出かけいただきました。

前回の例会では、家田事務局長・五十嵐会長が欠席と寂しい感がしたが、今回の例会には、家田事務局長はじめ、五十嵐会長も晋山式依頼2ヶ月ぶりに出席された。

五十嵐会長は、今までの、お立場のように身軽に動けなくなった現実を訴えられ、法主や貫主の立場になると、自分では、若いから何でも身軽に動き発言しようと意気込んでいたが、何処に行くにも、侍従が着いて来たり、側近から何でも自由に発言されては困るなど、あらためて、現在の立場を捉え直されている様子だった。

しかし、会長は、京都市内なら自分一人で行動し、例会にもできる限り、出てくると、皆の前で挨拶された。


良寛にあこがれて
壇場でスピーチされる彩墨画家 水江東穹 氏

壇場でスピーチされる彩墨画家 水江東穹 氏

<略歴>
[jcolumns]
1940 京都市に生まれる書画家である父鴻雲に師事

1983 毎年個展開催(大阪・神戸・和歌山).

1986 ベルギー・アルパートⅠ世王立図書館に作品収蔵

1987 サントリー(株)海外事業のための作品制作

カナタ・パンクーバー、イギリス・ロンドン、アメリカ・アトランタ)

1989 大阪府高等学枚、教員教官研修の講師となる

1989 フランス・ニースにて・個展開催

1989 アメリカ・ニューヨークにてグループ展出品

1990 花の万博出品作大阪府に収蔵

1990 国際芸術文化賞受賞

1991 個展開催 (高島屋大阪席)

1992 個展開催 (高島屋岐阜店・米子店)

1993 個展開催 (高島屋大阪店・米子店)

1994 佃展開催 (高島屋横浜店・岐阜店・岡山店)

[jcol/]
1995 木耳社より「彩墨画 良寛・こども・花」著者発刊

1995 個展開催 (高島屋大阪店・米子店)

1996 大松美術館、「旅びと良寛」作品収蔵

1996 個展開催(高島屋東京日本橋店・岡山店・岐阜店)

1997 個展開催(高島屋大阪店・横浜店・米子店)

1998 個展開催(高島屋横浜店・岐阜店・岡山店)

1999 新潟・新津市主催「良寛に魅せられた文人・画人展」に夏目漱石・北原白秋・与謝野晶子・魯山人

・中川一政ら三十二人と共に出陳

1999 月刊誌「曹洞宗報」泉絶縁表紙絵制作

1999 個展開催 (高島屋大阪店・米子店・岡山店)
1999 木耳社より「彩墨画 良寛・日本の四季」水江東穹画集出版

■ 2000 個展開催予定

4月13日より東京日本橋高島屋

8月31日より京都四条高島屋

10月12日より岐阜高島屋

11月29日より横浜高島屋
[/jcolumns]

ダークなジャケットをダンディに着こなした水江氏は、同伴の夫人にネクタイを直され、壇場に上がられた。

氏の洋服は、もしかして奥様の趣味かもしれない。制作されている時のお姿はどんなだろう・・・。

出席者全員の椅子の上に、木耳社刊「彩墨画 良寛・日本の四季」水江東穹画と考古堂書店刊・皆川喜代弘著「良寛に魅せられた文人・画人」、古典の教科書の三冊を配ってあった。

木耳社刊 「彩墨画 良寛・日本の四季」 より 赤とんぼ:38× 123cm

木耳社刊 「彩墨画 良寛・日本の四季」 より 赤とんぼ:38× 123cm

まず、最初にと断りを入れ、優しそうな面持ちで、しかも恐縮しながら、ご自分の仕事の紹介をされた。

現在、曹洞宗の両本山に良寛さまの絵を描かせて頂いているご縁で、クラブ事務次長の山路禅師にスピーチを依頼され、なにげなく「ハイ」と返事をしてしまったとか、後で、名簿で、クラブメンバーを知ると、自分ごときが良寛禅師のことを語るのはだいそれたこと、断りたくなったと、場内に笑みを誘った。

以下、「良寛に魅せられた文人・画人」の水江東穹氏の項から

良寛さまの書の線の美しさに強くうたれ、 永い間、臨書に明け暮れしているうちにいつ しか私は、良寛さまのぬくもりにすっかり包み こまれて、画境の遠い線上にそのお姿をお慕 いしておりました。

若き日に出家された良寛さまは、道元禅師の高風をお慕いになって厳 しい修行を積まれ、遂に悟りをお開きになりました。 しかし、生涯寺を持たず、一托鉢僧 として清貧に徹して自然と共に生きられまし た。 生あるものに深い慈愛を注ぎ、邪悪なる 者を憎んだことは、詩にもお詠みになってお られます。

ですから良寛さまのやさしさは厳 しさと一つになったやさしさです。

そしてこのことは、大自然の厳しさととけあっていることと相通じております。

そこに私は永年心をひかれてまいれました。

良寛さまのお姿を画筆に托して、お写しすることは至難というほかありません。

そのこ とを自ら弁えつつも、良覚さまに心をひかれる思いは格別です。

ご自身は、「西方安楽国 南無阿弥陀仏一 念又十念 往生何所疑」を書き残しておられ るように、仏法への徹底した帰依があったれ ばこそ慈悲の心の深さもひとしおだったと思 います。

良寛さまの心奥には、自他表裏の別は既になく、常に慈愛にみちたお姿だけが浮かんでまいります。

良寛さまの懐に抱かれた童たちが感じたであろう温もりと安らぎを共感して傾ければ、 と念願しつつ筆を運んでいる次第です。

水江東穹

この後、家田事務局長より、会員の退会、入会の報告があった。元文部大臣の奥田氏は、今回の衆議員解散を期に、議員生活から、身を引き、仏教クラブも退会されるとか。現役時代のお忙しい身でも、ときおりお顔をお見せになっておられた実直なご性格が印象的だった。

文:藤野正観

PAGETOP
Copyright © 仏教クラブ All Rights Reserved.
Powered by WordPress & BizVektor Theme by Vektor,Inc. technology.
Top