仏教関係者が京都に集う会

平成13年(2001年)5月例会報告

ゲストスピーチ『介護保険」と老人の生き方について』  社会福祉法人 同和園診療所所長 中村 仁一先生

開催日:2001年5月11日(新茶例会)

♪夏も近づく八十八夜・・・・。
茶摘み歌にも詠われる季節の到来です。
京の茶摘みは、ちょうど八十八夜のころに始まります。葉の中に香りの成分やうまみが、たくわえられたころを見計らつて摘むのです。香りが高く、若々しさに加えて程よいうまみのある新茶をいただくと、その一年を、無病息災で過ごせるといわれます。
これにちなんでの新茶例会です。

今月のゲストスピーチは、五十嵐会長のご推薦による社会福祉法人 同和園診療所所長 中村 仁一 先生にお願いしました。

「介護保険」と老人の生き方について

社会福祉法人 同和園診療所所長 中村 仁一

五十嵐会長の紹介で、壇場に上がられたダンディな出立ちの中村氏

五十嵐会長の紹介で、壇場に上がられたダンディな出立ちの中村氏

中村仁一(なかむらじんいち)医師、社会福祉法人 同和園診療所所長
「自分の死を考える集い」主宰。
1940年、長野県更埴市に生まれる。
京都大学医学部を卒業。
1980年より財団法人高雄病院の院長を務める。
1992年、同治医学研究所を設立、有料の健康相談を行っている。京都仏教青年会(現・薄伽梵(バカヴァン)京都)の協力のもとに、
1985年10月より月1回の病院法話を開催。医療と仏教連携の全国展開の先駆けとなる。
1996年4月より、市民グループ「自分の死を考える集い」を主宰し、毎月京都市内にて例会を開催。著書には『老いと死から逃げない生き方』(講談社)、「医者」の手にかかって死なない死に方 『幸せなご臨終』がある。[/jbox]

康寿命
健康で、長生きできれば良いが、年老いて、寝たきりになり家族に迷惑をかけながら長生きするよりも、ピンピンころり、と言いまして、昨日まで、ピンピンに元気だった人がコロリと亡くなる。これを誰もが望み、昨今では PPK と表現されている。(会場笑い)
現代の社会現象として介護機能の低下がある。老人を含め、弱者になる時、他の助けを受けないと生きていけない、そんな人生時間が、多くなってきた。

これは、はたして幸せなことか?
親孝行、したくないのに親があり。(会場笑い)

介護保険制度は、家族介護が前提としてある。
身体の介護はなんとかいけるが心のケアは介護保険では、無理。
たとえ、介護人を頼もうと、しょせん、ヘルパーさんは、時間の切り売りだから、患者本人と心を通わす事が困難。
介護保険制度は、利用者本意→自立を目指す。本人が自立するようにヘルパーは、協力介護しましょう――ということであるに他ならない。

ケ老人
肉体は自立しているので、精神に介護が必要なのだが、問題行動としてのハイカイ行動にはやはり患者に不安感があるのだ。
つまり自分の置かれている場所が安住の地ではないからそうなるのだから、原因を見つけ、解決することが介護といえる。――にも関わらず、現在の介護制度では、それも不可能に近い。

師会も参入!!
医師会も保険収入が少なくなってきたので、介護産業にも介入する構えだが、現代の医療機関では、医師が専門化し過ぎていて、とても、人の生活情況や患者の性格など、総合的に暖かく診る事ができない。
合理化された近代医療の欠点でもある。

当の病気は専門医には治せない!!

治癒のみが重要視され、あらゆる手段で延命を施し、全ての苦痛を与えるのが近代医療である。
近代医療信仰は捨てなさい。患者の七割が、病院で死ぬ!!  という現実を知ろうとしない現代人は、近代医療に盲信しているだけ。

き延びる事だけが、そんなに大切か!!
病気と共存し、なかよく生きていくことがこれからの医療に対する考えではないか。
遺伝子やら環境で、直すことのできない、病気があることを知りなさい。

は不思議な縁で、生かされている。
このことに気付き、思い知った中村氏は、偶然性の否定をする。もしかして、台本通りの人生があるのではないか!
生きているということは、おかげを被っている。命の布施を頂いている。ことだと気付かれたそうだ。

こんな考えで、医療を施す為、中村氏と波長の合った氏の患者は、心身共に楽になるようだ。

まとめ

老病死は、誰にも変える事のできない真理。
現代人は、近代医学で、生老病死をコントロールできるのではないかと勘違いしている。

きらめ」 の大切さ。
これからは、医療信仰をやめ、あきらめの大切さ を教えることが、真の医療といえるのではないか、人間らしく、生き物らしく、自然に生き、自然に死ぬことが、素晴らしい人生と知ることが、真の人生観ではないか――。

Photo& Report:Shokan Fujimo

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