仏教関係者が京都に集う会

平成15年(2003年)1月例会報告

メンバースピーチ 「帰」によせて  森 清範会長

開催日:2003年01月10日(正月・修正会)

輝かしい新年をお迎えの事とお慶び申し上げます。

年末に選ばれる「今年の漢字」。森清範会長の揮毫されるお姿が、年末の風物詩ともいえるほどに定着してきました。今回は「帰(かえる)」が選ばれました。これをテーマに今月のスピーチは、森会長にお願いいたしました。

副会長 沢田教英尼 挨拶

sawada会長は今日の講師を勤められるので、後ほど挨拶されるとのこと。もう一度だけ私が挨拶させて貰いますと前置き、新年の挨拶をされた。
新年早々訃報で申し訳ないが、会員の稲垣敏(さとし)氏が暮れの30日、他界されたとの報告。冥福を祈りたいと述べられた。
11月、12月と連続で例会に出席されていたのが、何かの知らせか・・・。ということから、 一期一会、その時その時、真剣にお付き合いせねばと思い知らされたと、新年の挨拶をされた。
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司会を勤める家田事務局長が、森会長は、とってもお話がうまいので有名だ、今年一番の講師として適役だと思う。毎年年末にTVで映る昨年の世相を表す漢字を書いた本人さんに直接「帰」についてお話いただく、とあらためて今日の講師である会長・森 清範師を紹介された。

「帰」 によせて

北法相宗 清水寺 貫主 森 清範

mori3新年の挨拶の後、いつも、例会を欠席して申し訳ない、会長という大役を引受けてしまったが、責任をまっとうできていないことを陳謝された。
「帰、かえる の一字だけで、3・40分しゃべれと言われてどないしょうかと困ってます。」といきなり場内を沸かせた森 清範会長は、太くよく通るお声で、帰の漢字についてお話を進められた。平成7年より漢字能力検定協会が、その年の世相を表す漢字を1字を全国から募集を始めた。
その結果を自分が書くところが、TVニュースで報道され、最近の年末の風物詩になっている。
「ほんまに和尚が、書いたはるんですか?」ゆうて、疑る人がいやはりますが、TVには坊主頭の後姿しか映らんので、後ろ向いて頭を見せ、自分が書いていることを説明せなあかんのですワ。」と場内を笑わす。
平成7年が震、8年が食、9年が倒、10年が毒、11年が末、12年が金、13年が戦。とこいうことだそうだ。

■いろいろお話いただいた、今年の「帰」については、漢字検定のサイトよりご覧頂くことにします。

また、エピソードとして、写真をご覧になると、おわかりいただけるが、立てかけたところに書くわけなので、一気に書かないと墨がたれて何が何だかわからなくなる。また、寺の執事から袈裟や衣だけは汚さんように気をつけてくれと頼まれていますので、一気に書くんです。とまた笑いをとられた。

12月12日の朝、全国応募6万通の仲から選ばれたその年の漢字がはじめて知らされるとか、心の準備が欲しいのだが、そうはいかないらしい、と打ち明け話もされた。

「帰る」とは「還ってくる」という意味と「還って行く」という二面性の意味を持っている。行き着くところ、自らを向こう側に委ねるということから、今年はやはり原点に帰る年ではないかと思うと話は核心に入る。
政治も経済も、医学もそして宗教も元に帰ることが望まれる。

経済という言葉があるが、経国済民という言葉から生まれたことばと認識しているが、国を運営し、人々を救うという意味がこの経済という言葉に含まれており、経済至上のこの世でも、利益こそがビジネスの目的ではないという事を知るべきで、「やってはいけないこと」や、「やらなければならないこと」つまりほんとうに自分のやっているビジネスが人々の為になっているかどうかも含めて、利潤ばかりを追い求めることの愚かさに気付くこと、経済という言葉の本来の意味を知ることが人の道ではないかと訴えた。

また、仏教の原点で言えば、お釈迦様、天上天下唯我独尊。この天上に人間を支配するような絶対者は居ない。そして、この地上にも人間を誘惑したり堕落させたり騙したりするものは居ない。では、そこには何があるのか?そこには、一人一人違った(唯我)存在があって、それが独尊である。つまり一人一人が違っていて尊いのだ。人間に限った事ではなく、すべての生あるものにそれが言えるのだが、いわんや人間にということだと、力強く語られた。

いろいろなエピソードをご紹介いただき、最後に、こんなに便利な世の中になったが、世の中安心ですか?世の中平和ですか?人間の価値が上がりましたか?いや、益々不安が広がるばかり。
やはり仏教の原点であるところのお釈迦さまのいわれた、天上天下唯我独尊、この尊厳なるものを、命の尊さをこころに深く刻んで、新年の幕開けとしたいとしめくくられた。
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森 清範会長のスピーチの後、佐野大義和尚の発声で乾杯、会食。恒例のビンゴゲームで今年の運勢を占い、和やかに話しが弾んだ。ちなみに、一等賞は沢田教英副会長だった。そろそろ、本格的に仏教の出番なのか、そんな時代の確かな幕開けの予感を胸に、仏教者全員の新たなる決意を望みたい。

写真・構成・文:Shokan Fujimo

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