仏教関係者が京都に集う会

平成24年(2012年)2月例会報告

メンバースピーチ:御室仁和寺の宗務総長、瀬川大秀会員

開催日:2012年02月10日二月 (涅槃会例会)

仏教では「諸行は無常であって、それには最初も最後もない。その存在の形状を変えな がら、果てしなく移り変わっていく」と見ます。氷が温められれば水となり、水蒸気と なりますが、その水蒸気が冷やされれば、水から氷へと元へ移るようなものでしょう。 しかし最初・最後という語は、実は仏教語であり、最初と最後が大事だと説いてきたのも仏教です。 最初一仏とか最初発心という言葉からお分かりのように、仏の道を求めようという心を 起こした時点が最初と呼ばれるところです。 最後とは、最後生・最後心という言葉から分かるように、煩悩だらけのこの身を脱して輪廻転生を離れ仏身に至る時点です。 最初から出発して最後で落ち着く。 最初・最後という言葉は、仏を目指す最も初めの発心と、その最も後である成仏を言う言葉なのです。 今月はメンバースピーチ。御室仁和寺の宗務総長、瀬川大秀会員のお話を伺います。

森 清範会長 開会の挨拶

mori-kaicho (1)涅槃会例会ということで、大般涅槃に具わる3種類の徳性として、法身(仏如来の本性(身)は常住不変不滅の法性である。)般若(仏如来はこの世の本質をあるがままに覚知する) 解脱(仏如来は一切の煩悩・繋縛を遠離して自在である)を簡略されてお話され、続いて 今は亡き友人の西本願寺僧侶のエピソードを紹介された。

その友人は、地域活動をしている僧侶で、自坊でコンサートとか子供を集めてイベントをしたりして、檀信徒さんのご協力で成り立っていたんですが、そのイベントの後で、車座になって皆で反省会を兼ねてご飯を食べることも楽しみのひとつやったそうです。 その檀信徒さんの中に酒癖の悪いお医者さんがおいでになったようで、そのお医者さん、酒が入るにつれ「和尚!人間死んだら何処へいきまんのや?」 「そらぁ、阿弥陀さんの世界へ極楽往生しまんのや。」 「何をゆうてまんねん、死んだら終い! 灰になるだけですのや!」と毎回、お酒が入ると同じことを繰り返していたそうです。 その都度、友人の僧侶は、それでも懲りずに「南無阿弥陀佛と唱えたら誰でも極楽往生できるんや!」と、説いていたそうです。

「この友人の凄いところは、ほんまに南無阿弥陀仏と唱えたら極楽往生できると信じていたことやと思うんです。」と声をいっそう大きくして続けた会長は、居並ぶ会員の僧侶たちにむかって、「我々僧侶の中で、ほんまに心の底からそれぞれの宗派の教えを信じているものは居ますやろか?」と、その西本願寺僧侶の僧侶らしい信念といいますか信心にといいますかその僧侶としての生き様に感銘を受け、同じ僧侶である自分も戒められたそうです。 その極楽往生を信じようとしない医者である檀信徒の話に戻りますと、その後、その医者の娘さんが、余命いくばくもない病にかかり、「お父さん、私は死んだら何処へ行くの?」と聞かれたそうです。

「極楽往生するには、お念仏を唱えたら良い、と、そう和尚がゆうてた。」 「あの世って、どんな所なの?」 「美しい音楽が流れていて、とっても綺麗なところらしい。そこへ行くためには、お念仏を唱えたらよいらしい。と、そう和尚がゆうてた。」

その医者の娘さんは、お念仏を唱えてお逝きになったという、こういうお話を亡くなった友人の僧侶から何度も聞いたことを、涅槃会例会の今日、思い出しました。 今日は、お釈迦様が涅槃に入れた記念の例会であります。 お釈迦さまを偲び、有意義な時間を共に過ごしましょう。 と挨拶された。

■メンバーの門川大作京都市長が、再選されたので、久々に挨拶に見えた。

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皆さんの温かい心に支えられ、再選させていただきました。久々にお邪魔してこの席に座らせて頂きますと、心が洗われる思いであります。厳しい社会・経済状況ですが、宗教都市といわれる京都の町を大事にして市政を盛り上げてきたことも再選に繋がっていると思います。これからもいっそうのそういった面で努力し、皆さんとの絆や温かい繋がりを保ちながら市政を盛り上げていければうれしく思います。 今後ともお導きいただき、京都の町が、より住みやすくそして、世界中の方がおみえになって感動していただける町作りに、また経済や福祉にしっかりと責任を果たして行かなければならないと思っております。とのことだった。市長は挨拶を終え、会食もせず直ぐに会場を後にされた。

メンバースピーチ:仁和寺と自坊について

御室仁和寺の宗務総長、瀬川大秀会員

今月は、御室仁和寺の宗務総長、瀬川大秀会員のメンバスピーチを御願いしました。
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歴代の会長に、故吉田門跡をはじめ、仁和寺門跡が数人おられ、私がお歴々と同じ会員とさせていただいて光栄に思ってる。とご挨拶。 そのあと、仁和寺の案内(※仁和寺の涅槃会は常楽会と呼びこの時に読む「四座講式」は年に一つづつ行われ、4年で四座が終了するという。)に続いて、手描きの地図を片手に、四国地方や愛媛の案内(しまなみ海道)、愛媛県西条市のご自坊「王至森寺」の紹介をされた。
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王至森寺(新四国曼荼羅霊場 第31番)

  • 本尊/大日如来 ●開山/舒明天皇 ●創建/舒明帝12年(639)
  • 所在地/〒799-07 愛媛県西条市飯岡3021 電話(0897)55-2251

略縁起

西条の市街地から東側、国道11号線にて松下寿電子の工場の辺りから南に入った所に王至森寺がある。
西條の歴史探訪 (明比学 昭和60年)には、以下のように記されている。
王至森寺     所在地 野口
寺は法性山多聞院という。本尊は大日如来、京都仁和寺未中本山格、真言宗である。 寺の上の高所に権現社があり、法性権現を祭る。
その昔、舒明天皇道後温泉行幸の途次、燧灘で暴風雨に遭遇され、この地に難を避けられたので、それより王至森寺と唱えるようになったとの伝承がある。 また、原八幡神社の別当寺であった薬師寺が、天正の陣に兵火にかかり焼亡したのでこの地へ移ったという伝承もある。
山門の扁額「法性山」は小松藩三代一柳頼徳の筆跡である。藩政時代はこの地は上島山村で小松藩領であった。また、一柳頼徳は名君と称せられ、当時三百諸侯きっての能筆家であった。
裏山に西国33番札所があったが、最近境内へ移して祀っている。門外には国指定天然記念物「王至森寺のきんもくせい」がある。全国でも最も大木の金もくせいである。昭和2年、国から特別天然記念物として指定せられたものであるが、老令のため大分弱りかけている。 (※http://www2.dokidoki.ne.jp/tomura/oshimorij.htm より転写)  

ご参考

四座講式(明恵上人作-鎌倉時代前期の華厳宗の僧で栂尾・高山寺に住した)。  
「四座」の「四」は、四つの物語。「座」は、法要が幾度か続くときの区切りを言う。  
四座講式は「涅槃講式・羅漢講式・遺跡講式・舎利講式」の4つに分けられる。  
涅槃」は、釈尊の涅槃の様子が描かれ、涅槃を悲しみ、荼毘の哀傷を語り、涅槃の因縁と、沙羅双樹の遺跡などについて語られる。  
羅漢」は、仏法を伝えるために永くこの世に住し衆生を済度する役割をもった16人の阿羅漢を十六羅漢といい、この羅漢たちが、お釈迦様の遺法を伝えた恩徳をたたえる。  
遺跡」は、お釈迦様の遺跡を遙かに思い慕う。菩提樹の霊異、あちらこちらの遺跡とその功徳。遺跡を恋慕した三蔵法師の伝説が語られる。  
舎利」は、仏舎利尊崇の心を述べる。舎利の功徳をほめ、霊徳の具体例を挙げる。

瀬川会員のメンバースピーチの後  

山科雙林院(毘沙門堂)の名誉住職でもあり現善願寺住職の田中良昌会員の乾杯の音頭で会食、団欒、その間、会長より各お誕生月の会員にお誕生日のプレゼントを授与し、午後8時過ぎ散会した。  

編集者より「例会報告」再開のご挨拶

 
2006年3月例会からのごぶ沙汰です。 前の事務員さんが職について間もなく、新しい職務に意気込んでなのか、ホームページの管理運営にまじめに取り組んでいた私に対して、「私の知り合いのプロのウェブデザイナーに頼んでホームページのリニューアルをしようと思っています。」との意向を聞きました。
私はてっきり、新しい事務局の意向ならしょうがないと、ほとんどやる気をなくしておりました。
それから、その事務員さんにはいろいろありましたが、そうこうしている間に、すでに6年の月日が経ちました。早いものです。
結局、事務局の意向ではないのが判明したのは、前事務員の怠慢から、事務遂行にいろいろ支障が出て、昨年、新しい事務員さんを募集するに至った時ですから、時すでに遅し、彼女の気まぐれ発言で、この例会報告のページに長い空白が出来てしまいました。
プロに頼んでリニューアルなど経済的に到底不可能ですし、何れにせよ、自分たちで原稿を用意しないと、こういった記録的なページは運営できません。事実が分かるまで、事務局に多少の不審を抱いていましたが、違ったようで私にとっては救いでした。
これからは、新しい事務員さんと事務局員さんが、仏教クラブのサイトの更新作業を手伝って頂けることにもなりましたので、また、体力と気力が続く限り、例会報告を取材させて頂きます。 本業をこなしながらの急ぎの作業となりますので、拙くて荒い文章と編集内容になるとは思いますが、ないよりまし、ということで、大目にお許し頂きます様、よろしく御願い申し上げます。

写真・構成・文:Shokan Fujimo

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