仏教関係者が京都に集う会

平成24年(2012年)12月例会報告

2012年度 仏教クラブ奨学金授与者 発表

更新日:2012/12/16

今年度の授与者は、以下の各氏に決まり、 12月14日の成道会例会にて奨学金の授与式が、開催されました。

2012年度 奨学金授与者のご紹介

2012bukkyo○申請者名  バースト ボルマー  (女)
国籍  モンゴル
   
・生年月日  1984年05月20日(満 28 歳)

〇所属
佛教大学 文学研究科 仏教学専攻 修士課程2回生 

所属先
〒603-8301 京都市北区紫野北花ノ坊町96 佛教大学国際交流課
                    電話番号 075-491-2141(代)

〇推薦理由および推薦者(所属・氏名)

入学以来、日々研鑚を重ね、着実に研究能力は向上しているのが分かる。
出来うる限り研究のための時間を得させていただきたい。
将来様々な形で日本とモンゴル国との仏教界の交流に寄与出来る人材であるので、
是非、奨学生として採用賜りたく、ここに推薦いたします。
推薦人:佛教大学 教授  小野田 俊蔵

現在の研究・勉学の内容および目的
現在、私は佛教大学の文学研究科仏教専攻修士課程に所属している。
修士論文テーマは、『サキャ・レクシェ』の仏教思想である。
サキャ・レクシェはサキャ・パンディタの著作で、古くからもモンゴル語に翻訳されている書物である。
それの、後世への影響を中心に書くつもりである。
今でも、サキャ・レクシェはチベット、モンゴルにおいて文学作品の例として教科書に載っているくらい人気を集めた著作である。
ところが、仏教思想として後世のモンゴル人にどのように受容されていったかを明白にするのが、この論文の目的である。

将来の抱負
やはり、将来帰国後に国の教育に出来るだけ協力して行きたいと思っているが、それより前に、もし教える立場についたとしたら、
教える側になる自分のなかみを充実させておきたいというのは、現時点において目標となっている。
来年、3月で修士課程修了するが、続けて博士課程にも進学したいと思っている。

奨学金を必要とする理由
私に、奨学金を必要とする理由は、ここで一言に述べられないぐらい大いにある。
修士論文で扱っているサキャ・レクシェは原文がチベット語であり、それのモンゴル語訳にしても13、14世紀あたりの古典モンゴル語であり、
それに対しての多くの研究は英語において書かれている。
そして、私は日本語で論文を提出しないといけないということもあって、論文を書く以外に語学の予習だけでも、
アルバイトをしながら日本での生活を送っている私にとって大きな負担となっている。

2012ryukoku■ 申請者名  李 子捷(リ シショウ) (男) Facebook

国 籍  中国 

・生年月日  1987年7月10日(満 24 歳)

■ 所属
龍谷大学大学院 文学研究科 仏教学専攻修士 1 回生

所属先
〒612-8577京都市伏見区深草塚本町67 龍谷大学宗教部 (担当:松崎)
電話番号  075-645-2381

■ 推薦理由および推薦者
李子捷氏は、2009年9月1日より2012年3月15日まで、中国陜西師範大学大学院 宗教研究中心哲学宗教学専攻修士課程において唯識学を研鑽し、
優れた修士論文を作成し、さらに龍谷大学大学院のおいて研究を進めたいとの思いで来日しました。
李子捷氏にしっかりした法相教学の基本のあること、および真面目に学業に取りくむ学生であることは、すでに確認しております。
必ずや、その本分を尽くして有為な研究成果をあげうるものと確信し、ここに推薦申し上げる次第です。
推薦人:龍谷大学 教授  楠 淳證

現在の研究・勉学の内容および目的
前に中国陝西師範大学修士課程での内容と同じく、続けて中国唯識思想史を中心とする東アジア唯識思想史を勉強して研究していきたいと思います。
具体的に言いますと、中国南北朝から唐にかけての唯識思想で、地論宗、摂論宗、法相宗という三家を含めます。
その過程に日本唯識古文献(例えば法相『成唯識論同学抄』など)および敦煌文献(例えば敦煌地論摂論文献など)をある程度利用するつもりです。
種子と仏性との関係、および『解深密経』、『成唯識論』、『ユガ師地論』、『摂大乗論』など経典をめぐって展開されたいろいろな論争から
いくつかの問題に注目して研究していきたいと考えています。これで、唯識思想が中国での展開史への理解に役立つと確信します。
唯識思想および如来蔵思想は中国仏教思想史における軸ではないかとずっと思って、中国仏教思想史全体への理解もさらに明らかになりましょう。
この研究計画に沿って、修士課程と博士課程だけではなく、一生の研究テーマとしてもいけると思います。

将来の抱負
修士卒業後、日本で仏教学専攻博士後期課程に進学するつもりです。
中国を主とする東アジア唯識思想史をずっと研究していきたいと思います。
日本で博士号を取得することを短期目標としています。
その後、研究員として日本で研究して、中国に帰って、日本の仏教学術研究成果をできるだけ中国に持ち帰って、中国の人々に紹介したいと思います。
今の中国大陸には日本の仏教研究成果を翻訳して紹介する人がやはりものすごく足りませんから。
それに、学問以外、日中仏教交流および文化交流事業の一員として頑張っていきたいと考えています。
例えば、北京には中国仏教協会や中国仏学院があって、西安には中国仏教諸宗派の祖庭(大本山と似る)があって、
彼らと日本仏教界との交流、それに仏教学界の交流、どちらでも力を入れるべき分野ではないかと思います。

奨学金を必要とする理由
自費留学生として日本に留学しています。
学問研究は時間がかかって、それに日本の文系博士号も厳しいので、普通の留学生のようにいつもアルバイトしてはいけません。
それに、仏教学のような文系学問を研究すれば、多くの学術本を買ったり論文や資料をコピーしたりしなければなりません。
日本の仏教学術本は値段が本当に高いと感じます。
このままではやはりちょっとつらい感じをよくしています。
日本に唯識に関する研究著作が多いですが、相当の値段もあります。
また、両親は大学の先生です。中国の大学先生は収入が低いのが周知のことです。ちょっと心配していますが。
一応以上です。ご迷惑をおかけいたします。

2012otani■申請者名   悟 灯 (WU DENG ウ デン) (男) 

・国籍  中国  

・生年月日1980年06月14日(満32歳)

・申請者本人 

■所属
大谷大学 大谷大学 大学院 文学研究科 仏教学専攻博士後期課程第2学年

・所属先 
〒603-8143 京都市北区小山上総町 大谷大学 学生支援課
電話番号 075-411-8119

■推薦理由および推薦者(所属・氏名)
悟灯さんは中国の天台宗の僧で、近代的な仏教学を学ぶために大谷大学に留学しました。
修士課程を修了後、現在は博士課程(仏教学専攻)に在学しています。
初期中国仏教における禅定思想と天台智顗の止観思想について精力的に研究しています。
将来は中国における仏教研究をリードする学僧になると確信しています。

推薦人:大谷大学 ロバート F ローズ

■現在の研究・勉学の内容および目的
私は天台止観思想について研究を行っている。
天台止観思想とは中国の隋時代に天台智顗が印度の仏教思想を「教」と「観」との両面から整理統合して完成した思想体系である。
南北朝時代には小乗の禅法と大乗の教理とが独立して行われていたが、智顗はこれらを統一して止観行を創始する。
これにより中国仏教の教理は完成の域に達するとともに、その後の仏教の展開に大きな影響を与えることになった。
智顗の止観の学説は、最初に『釈禅波羅蜜次第法門』の「唯禅為最」、次に『六妙法門』の「止観並重」、
最後に『摩訶止観』の「以観導行」という次第を経て形成されているが、それは天台の次第・不定・円頓の三種止観の法門として定義されている。
しかし、従来、天台の止観思想自体に対する研究は多くなされているものの、その源流を明らかにする研究はごく僅かであった。
そこで、私の研究は、三種止観の法門に関する著作の構造及び内容を分析考察することによって、天台止観思想の淵源を闡明することにある。

■将来の抱負
そもそも私は中国の天台山で出家修道した僧であり、天台教学をより深く研究して、その内容を体得したいと考え日本に留学した。
天台教学は中国で創められたが、その奥旨や先賢の聖教およびそれらの研究法は日本の伝統の中で守り伝えられている。
日本においてこれらの研究法を深く学んで吸収しつつ自己の研究を進め、博士学位を取得したい。その後は、中国に帰国して、
仏教学研究者として研究を深化させつつ天台教学を広く人々に伝えると同時に、日本で学んだ知識を生かして後学の育成に当たりたいと考えている。
一方で、日本の仏教学者及び各宗派との交流を保ち続け、日中仏教界の発展のために尽力して行きたいと願っている。

■奨学金を必要とする理由
現在、博士後期課程の学生として博士学位論文の執筆を目指して準備を進めている。
その過程においては、高価な専門的な書籍やデーターベースの購入、資料の複写、あるいは資料所蔵機関、史蹟等への調査などの必要が多分にある。
中国の図書館や大学には、仏教に関する図書資料が乏しいため、日本で収集した資料はまた帰国後の研究活動にも大いに資するものとなる。
しかしながら、私は自費留学生であるため、生活費以外への出費が難しく、かかる経済的状況が研究活動の支障となっている。
そこで貴奨学金の給付を希望し、申請した次第である。

2012hanazono■申請者氏名  ソンサー プラマハージャムラッス (男)

・国籍    タイ

・生年月日 1984年01月05日(満 28 歳)

■所属 
花園大学 文学部 国際禅学科 2回生

・所属先
〒604-8456 京都市中京区西ノ京壺ノ内町8-1 花園大学学生課                       
電話番号 075-823-0587

■推薦理由および推薦者
申請者は、タイ国において瞑想指導でよく知られるタンマガーイ寺院の比丘です。
日本の禅に強い関心を持ち、兼ねて、テーラワーダ(上座)仏教と大乗仏教の同異を学ぶため、本学に留学しております。
持戒堅固にして、学問への志高く、その性格は温和で、将来は日本仏教とタイ仏教の架け橋としても活躍されるであろう有望な学僧です。
寺院に住んでいるとはいえ、喜捨によって工具書やフィールドワークの費用を賄っており、アルバイトは戒律の規制によりできません。
何卒宜しくお願い申し上げます。
推薦人:花園大学 文学部 国際禅学科主任  吉田 叡禮 

■現在の研究・勉学の内容および目的
私はタイ国で上座仏教の僧侶として、南方仏教教理やパーリ語の習得で励んできました。
2008年の8月に来日し、現在、花園大学で学んでいます。
花園大学では、基本的な仏教の知識を日本語で学ぶとともに、大乗仏教についても勉強しています。
そして、花園大学は禅の大学なので, 禅や禅の文化についても勉強しています。
今後、南方仏教も大乗仏教(特に日本の禅)との違い及び共通点を考究し、明らかにしていきたい。

■将来の抱負
将来、帰国後は、タイの仏教学校において、教員となり, 後学の指導に当たりたいと希望している。
また、既に設けられている日本人向けの瞑想指導を日本語で行うに当たって、
世界的に受け入れられている禅との共通点や違いについても説明できるようになり民族や国の枠を超えて貢献したい。

■奨学金を必要とする理由
タイの僧侶である私は戒律でアルバイトもできません。
ですから、奨学金を受給し、勉強のために、教科書の購入や交通費などために利用したいと思っています。

四大学代表 佛教大学 国際交流センター 野崎敏郎氏 ご挨拶


※撮影・編集 藤野正観 (このページのYoutube動画は、限定公開にて設定しています。) 
※2011年度から、奨学金授与者の在籍する対照となる『大学院を擁する京都の仏教系大学』が今回の様に四校に変更なりましたので、それぞれの対象者には各25万円が授与されることになりました。

【各大学の奨学金支援希望者を推薦していただく先生方に御願い】
授与された各氏は、『■申請書』及び『■現在の研究・勉学の内容および目的、■将来の抱負、■奨学金を必要とする理由』などを作文にし、必ず提出していただきますよう、ご指導とご連絡をお願いいたします。
提出は、できるだけ受給者ご自身で、テキストファイルにてinfo@www.bukkyoclub.com まで添付送信を御願いします。
仏教クラブでは会員一丸となって、これら支援金の源として『墨跡展・三宝の集い』にご揮毫して頂いた高僧・名家・著術家等の仏教興隆に対する熱い想いや暖かい想いを『形』にさせて頂いております。
今後、奨学金を支援させていただいた方々と会員との暖かい交流(旅行やメールでの近況連絡等)を通じ、長いお付き合いができればという想いで運営しております。

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