仏教関係者が京都に集う会

仏教クラブ奨学金授与者(2013年)


2013年度 仏教クラブ奨学金授与者 発表

2013/12/15 更新

今年度の授与者は、以下の各氏に決まり、 12月13日の成道会例会にて奨学金の授与式が、開催されました。

 

森 清範 仏教クラブ会長 開会の挨拶

 

2013年度 奨学金授与者のご紹介
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○申請者名  ZHOU YIPING  (女)
ジョウ   イイピン

国籍  中国

・生年月日  1985年03月20日(満 28 歳)

〇所属
大谷大学 大学院 文学研究科 仏教文化専攻1回生

所属先
大谷大学 大学院 文学研究科

推薦理由および推薦者(所属・氏名)

推薦理由は特に記載されていませんでした。

推薦人:大谷大学 学生部長  鈴木寿志

現在の研究・勉学の内容および目的
私は現在、大谷大学大学院の修士課程生として中国仏教史を専攻し、「明代抑仏政策の研究―嘉靖帝期を中心に―」をテーマに研究に取り組んでいる。
明清王朝は歴史に占める時間が長く、かつ広大な版図を領した時代として中国史上、重要な意義をもち、またこの時代の仏教は現代中国仏教の基盤の多くを提供しており、現代の仏教界に生きる出家者にとって看過できない。しかし日本・中国にかかわらず、
この時期の仏教史研究はやや稀薄の感を免れない。宋元代までの仏教に比べ、明清仏教が低迷の時期と看做されているのが最大の要因と思われる。
しかしながら、それまで盛行してきた仏教を低迷に導いた要因をその時代の中で多角的に考究し、結果的にもたらされた仏教史における時代相を浮き彫りにし、ひいては現代仏教を考えるヒントを見出す必要があると考える。
そしてそのためには、まずは明代の仏教政策にスポットを当てる必要性があろう。
中でも最も厳しい抑仏政策を実施した嘉靖帝の政策はその後の明代諸帝のみならず、明代仏教政策を踏襲した清代仏教にも少なからざる影響を及ぼしたものとして第一に取り上げるべき研究対象である。
そのため私は上述のテーマを設定してこれらの問題に取り組んでいるところである。

将来の抱負
留学前の私の身分は中国仏学院普陀山学院の教員である。
仏教研究において最先端をリードする日本で研究方法を習得し、日本に伝存する資料を活用して研究課題を追究するだけでなく、学術界や日本仏教界に交友の範囲を広げることも日本留学の目的である。
修士課程修了後、より研究を深化させるため博士課程に進学する予定であり、学位取得後、仏学院の教員に復帰し、日本で習得した研究方法や自身の体験を学僧たちに伝えていきたい。
さらに日本の研究者を招聘して共同研究を行ったり、仏学院の学僧を日本に留学させたりするなど、日中両国を繋ぐ存在として両国の仏教文化交流の発展に尽力したいと願っている。

奨学金を必要とする理由
私費留学生であるため、留学期間中、学費や生活費の一切は自己負担する必要があるが、現在これらの費用は全て師匠からの支給でまかなっている。しかし学費と生活費を支払うと、手元にほとんど何も残らないのが現状である。
将来、日本で購入した研究書等を仏学院に寄贈して学僧の学習研究活動に資したいと願っているが、現状では研究書の購入もままならない。
留学生の多くはアルバイトができるものの、私は比丘尼であり、戒律上、アルバイトは厳禁されている。師匠に大きな負担をかけることなく、
自分自身のみならず若き僧尼のためにも貴奨学金の受給を切望する次第である。

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■ 申請者名  梁 特治(リョウ トクジ) (男)

国 籍  韓国

・生年月日  1969年06月09日(満 44 歳)

所属
花園大学

所属先
花園大学

推薦理由および推薦者

推薦理由は特に記載されていませんでした。

推薦人:花園大学   吉田叡禮

現在の研究・勉学の内容および目的
私の研究テーマは、「東アジア禅宗の全体的構図とその社会的影響」であります。
それには、先ず東アジア全域に、独自の文化を形成し、嘗てないほど多大な影響を与えた中国宋代(960-1279)の禅思想と社会的影響についての検証が必要です。
その中でも‘看話禅と黙照禅’という宋代禅の二大思潮についての検証は非常に重要であり、現在、それと関連する研究を最優先させています。 今後の研究目的及びその展開としては、「南宋・高麗・日本を結ぶ 十三世紀の東アジア禅宗についての研究」に一石を投じることができればと思っています。
その研究の核心は、韓国曹渓宗中興の祖である知訥(1158~1210)と、日本に純禅を齎した道元(1200~1253)の中国禅思想理解とその思想的変遷の解明にあります。
その為にも、知訥の禅思想形成に不可欠であった華厳思想について、特に華厳思想に最大の影響を及ぼした『十地経論』に説かれる唯心思想と世親の解釈について、漢訳本、サンスクリット訳本、チベット訳本の比較研究を並行して行っています。

将来の抱負
将来の抱負につきましては、博士課程を修了し、敎育者として活動していくとともに、日本・韓国に於ける宗教・学術的交流、更には日・韓・朝の友好親善に奉仕していきたいと思っています。
因みに、学術交流においては、今年11月に催される韓国曹溪宗と京都花園大との交流のお手伝いをさせて頂くことになっており、宗教交流においては、日本曹洞宗総持寺系の代表団と、韓国曹渓宗松廣寺との交流に貢献させて頂き、今後、更に日本仏教諸派との交流発展に尽力していきたいと思っています。
一方、日・韓・朝の友好親善おいては、京都高麗寺で、日・韓・朝の平和友好並び、太平洋戦争戦没者慰霊事業の一環として、千日間の祈祷修行(98.11~2001.8)を遂行させて頂きましたが、今後も継続して協力していきたいと思っております。
最後に、私個人としては、国家、宗派のセクト性を超えた自己修養の場を設け、社会と疏通していけるよう盡力していきたいと思っております。
そのためにも、一層勉学に勤しみ、日々研鑽していく決意であります。

奨学金を必要とする理由
昨年の2012年度、花園大学院に入学しましたが、一年を経過した現在、経済的な負担が、研究及び学業継続に極めて大きな障害となっております。
そのため、現在の経済的困難を打開し、初志を貫徹せんが為に、今回奨学金給付を申請したわけであります。

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■申請者名   金 槿ね  ( キム クネ) (女)

・国籍  韓国

・生年月日  1987年05月23日(満 26 歳)

・申請者本人

■所属
佛教大学 文学研究科 仏教文化専攻修士1回生

・所属先
仏教大学

推薦理由および推薦者(所属・氏名)

理由は特に記入されていませんでした。

推薦人:佛教大学 仏教学部・教授 笹田教彰

現在の研究・勉学の内容および目的
私が修士のテーマにしていることは「源信と元暁の著書を通じる浄土の比較」で、日本と韓国の仏教の比較を目的にしています。
最初に日本仏教の研究を決めた時、大事に考えたことは、‘大乗仏教の終着点は日本である。だからその終着点からさかのぼって、日本仏教のことをちゃんとふまえた上、韓国仏教のことの比較など、いろんな大乗仏教のことを研究してみよう’ということでした。
私の中での‘日本仏教’というのはただの終着点ではなく、衆生のための大乗仏教のことが一番はなやかに咲いた場所です。
それでこのような試みはこれからの日本と韓国の仏教に新しい風になると思います。
そしてより良い論文のために日本の仏教のことはもちろん、日本古文、日本史、日本文学など、いろんなことについて勉強しないといけないと思い、たくさんの学部・大学院の科目をうけています。
又、漢文を勉強し、『往生要集』と元暁の『無量寿経宗要』などを『大蔵経』を中心として読み取ろうとしています。
韓国では漢文を習ったことがなかったので一文字読むことも容易くできないですが、がんばって勉強しています。

将来の抱負
私が将来のことで目指しているのは二つがあります。
一つは一人前の日本仏教の専門家になり、特に韓国の方に日本仏教のことを伝え、日本仏教のすてきさを広く伝えたいと思います。
韓国と日本は古くから深い関係を結びつきながらも、まだ、仏教のことに関してはお互い知っていないと思います。
それで日本仏教を本場で研究した学者として強い責任を持ち、韓国の人たちに日本仏教のことを紹介したいと思います。
次に目指していることは、両国のことをより深く、より良く築くための架け橋の役割になりたいです。
日本と韓国は、政治や経済の問題でトラブルが起きたりしますが、大事な関係であることはお互いに十分認識していると思います。
その大事な関係のために私は日本と韓国の仏教を研究して、両国の仏教の流通に全力をつくしたいと思います。
それで日本で修士課程を終えてからは、博士課程に進みたいと思います。その後、両国で活躍したいです。

奨学金を必要とする理由
私が奨学金を求める理由は、自分で全ての経済的な責任を担当しているからです。
平日は学校で勉強して、週末を利用して大阪の高槻にある‘れんげ荘’という福祉施設で介護の仕事に勤めています。
れんげ荘は認知症のある方がいる所で、いつも助けを求めていますので、大変ですが修行者の気持ちで努めていますが、学校のことを最優先にしているのでバイトでかせげるのは限界があり、研究のための書物や経典の購入と基本的な生活費、学費の調達に苦労しています。だれにも一切、援助をもらっていないのですごく大変です。
こういう状況ですが、最後まであきらめずに日本仏教の研究をつづけたいと思います。
何卒、よろしくお願いいたします。

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■申請者氏名  バルア シャントゥ (男)

・国籍    バングラデシュ人民共和国

・生年月日 1982年04月11日(満 31 歳)

■所属
龍谷大学 大学院 文学研究科 仏教学専攻 博士後期課程 1 回生

・所属先:龍谷大学

推薦理由および推薦者

推薦理由は特に記載されていませんでした。

推薦人
:龍谷大学 文学部仏教学科・教授  若原雄昭

現在の研究・勉学の内容および目的
研究テーマ:「バングラデシュにおけるネオ・ブディスト(改宗新仏教徒)
―オラオン部族コミュニティの社会宗教的民衆文化の研究―」

バングラデシュはイスラム教徒、ヒンドゥー教徒、仏教徒、キリスト教徒、およびそのほか多数の精霊信仰的土着宗教の徒から構成される、文化的民族的多様性に富んだ国である。
仏教はこの国の始まりの時代から導入されており、特に7世紀から12世紀までの間は多くの王朝により庇護された国家的宗教であった。
その結果、仏教はバングラデシュの文化を豊かにするのに極めて重要な役割を果たしたが、12世紀以降は、さまざまな政治的逆境のために仏教徒はその栄光を失い、少数派宗教への道をたどった。
そして仏教の衰退にともない、多くの仏教徒少数民族は自らの宗教的アイデンティティーを失って、精霊信仰と共に先住民(アーディヴァーシー)としてのアイデンティティーを受容することとなった。
オラオン族はそのなかでも注目すべき存在である。かつてはクルクとも称されていたが、彼らはバングラデシュの最も古い土着民族で、ドラヴィダ族に属し、黒色の皮膚、低い鼻、黒く縮れた毛髪、短頭、中背といった特徴をもつ。
その社会は多くの部族に分かれ、年間を通じて多様な民間儀礼・儀式を行っている。
オラオンは豊かな歌謡、伝統舞踊、民間伝承、また伝統的楽器を有しており、男女とも巧みな踊り手である。
オラオンの伝承によれば、先祖は密教的な仏教の信者であったというが、時と共に全ての仏教的儀礼・儀式は忘れ去られ、習俗的民間信仰の徒となっていった。
しかし21世紀に入って多くのオラオンが仏教に帰依しつつある一方、上座仏教の徒となったにも拘らず、その習俗は仏教的倫理に反する面も多い。
こうしたオラオン仏教徒の社会宗教的民衆文化に関連する文献や歴史的記録を調査・収集し、さらに現地での聞き取りなどを実施・分析して、彼らの文化の習合的特質を、その歴史的背景と共に考察することが私の研究課題であり、併せて、バングラデシュの未知なる仏教徒少数民族の姿を日本の人々に伝えたい。
以上、私の研究目標は東南アジア仏教に関する人類学的知見に寄与することである。

将来の抱負
私はバングラデシュのダッカ大学パーリ学仏教学科において既に学士号と修士号を取得している。
バングラデシュでは仏教に関する高度な研修の遂行が困難な状況にあるため、私は博士号の取得を目指して来日し、龍谷大学大学院に入学した。
上に述べたように、バングラデシュの仏教徒共同体は様々な政治的逆境のために過去の輝きと遺産を失い、停滞し衰退した。
私は日本において高度な研究を積み、博士号を取得したら帰国して母校の教員となり、教育を通してバングラデシュの遅れた仏教徒社会の改善に尽くしたい。
とりわけ龍谷大学で得た研究成果や知識を母国で広めることで貢献したい。
その方法は以下の通りである。
1)ダッカ大学パーリ学仏教学科での講義、あるいは一般公開のセミナーや講座を通して
2)研究成果を論文として学術雑誌に発表し、あるいは著書として出版することによって
3)社会的宗教的組織を設立することによって

奨学金を必要とする理由
日本は世界で最も経済的に成功し高度に発展した国の一つであり、バングラデシュはその対極にあります。
バングラデシュ政府は外国での学問研究を支援する余裕に乏しいため、私たちバングラデシュ留学生は、留学先の国で得られる経済的援助や奨学金に依存せざるを得ないのが現実です。
私は何度も日本でアルバイトの仕事に就こうとしましたが、学業に専念しようとすれば両立が困難なものばかりです。
貴奨学金を恵与され経済的支援が受けられれば、日本での勉学を続けて目標を達成するのに大いに助けとなりますので、ここに申請させていただく次第です。

京都仏教系四大学代表 龍谷大学 若原雄昭教授 ご挨拶


※撮影・編集 藤野正観 (このページのYoutube動画は、限定公開にて設定しています。) 

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